2012年07月17日

雑草考

最近、雑草のことでお話しする機会が多いので、
園主の今のところの『雑草考』まとめておきます。

雑草は好き勝手に何の法則もなく生えている…と思われがちですが、
知れば知るほど、おそろしく、法則に従って生えてきます。

その法則とは…
「その土に足りない養分をたくさん含む雑草が元気に育つ」
ということ。

つまり、
窒素分が足りない土には窒素分をたくさん持った雑草が生えて、
その雑草が土に帰ることで、土に窒素分が増える…
といった仕組みです。

ちょっと信じがたいですよね。

いくつか例を紹介すると…

「酸性土壌にはスギナが茂る」…これは、農家の中でもよく言われることですが、
スギナには実はカルシウムがたくさん含まれています。
(カルシウムは酸性土壌をアルカリ性土壌に矯正したいときによくつかわれます。)


また、昨年のことですが…
MY畑会員さんのなすが、驚くほどよく実をつけました。
で秋以降、そのなすを成らした部分だけシロツメクサがびっくりするほど茂りました。
(シロツメクサ;マメ科で窒素分をよく含みます)

要するに…「無茶苦茶、窒素分なくなったんですけど〜!」という
土と雑草の自己主張。



これと逆のことも、起こります。



水田では、「緑肥」といって窒素分の高い「レンゲ」の種をまいて、
田植え前に田んぼに鋤き込んで肥料にしようとするのですが、

意外とうまくいきません。

「レンゲ」は窒素分の高い雑草で、
窒素分の低い土地でよく育ちます。

つまり、その窒素分を期待して自分の田にレンゲの種をまいても、
田の窒素分が多いと、
「発芽しない〜」
「芽は出てきたけれど、弱々しい〜」となります。

で、今年春先に初めて起こった事件は…
「レンゲが虫に食われよる〜(泣)」
って事件でした。

有機栽培では、土がよくなると虫食いがなくなる…とよく言われます。
だから、虫食いが起こると、「まだまだだぁ。」とか思うのですが、

「レンゲの虫食い」の話を聞いてからは、
「なるほど〜、土にいらない要素をいっぱい持ったものは、雑草でも育たないんだぁ」
「そうか…虫も、そのお手伝いをしてるんだぁ。」
と、納得。



みんなみんな、手伝いあって、
全て全てに意味がある。そう思って、観察すると、
色んな不思議なことが見えてきます。


最近相談で「ドクダミが多いところを家庭菜園にしようと思っている」
というのがありましたが、ドクダミはカリウムをたくさん含んでいるそうです。

土に、カリウムが少ないのかなぁ…
カリウム満タンになったら違う雑草生えるのかなぁ…

考え始めるときりがありませんね。



こうやって、「雑草は大切」とよく言う園主ですが、
この時期の草刈り作業には、うんざり。。。
なかなか進みませんあせあせ(飛び散る汗)


posted by しずえ at 10:28| 長崎 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 考えた | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする